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アニメーションの背景スタジオ
この頃、背景は一枚500円でした。
つまり初任給1万5千円と言うのは30枚描いたと言うことになります。
大体一日一枚計算ですね(^^; 
ところが、私は学校の卒業前からここで働き始めましたので、約一ヵ月半
働いて1万5千円の稼ぎだったと言えます。
更に、税金で10%取られて手取り1万3千5百円。
アパートの家賃が1万6千円だったので当然足りません。
あああっ、思い出すと今でも涙が..........(大袈裟)
●ここで、アニメーション背景ミニ知識。
普通30分もののアニメは130枚〜300枚の背景が使われます。
誤差がこんなに激しいのは兼用と言う、同じ背景を繰り返し使う事をするから
です。 あと、カット割の激しいアニメの場合はやはり使用枚数が増えます。
しかし、背景スタジオに入って来るお金に変化はありません。
これは、一本あたりいくらと決まっているからで、カット数の多い作品は
嫌われていました(^^; 
空とか、宇宙とかの背景は兼用が利くので大人気。だけど、撮影現場では
凄い不評を買っていました。 何故と言いますと、一枚の背景で多くのセルを
載せて撮影をしなけれはならないため、途中で背景が破けたり傷がついたり
するからなのです。
背景マンが一人前になるのに掛かるのは大体3年。
出世すると美術監督になり、その作品のビジュアルイメージを司る事になります。
しかし、人が育たないのもこの業界(^^; きつい作業の上、休み無し、睡眠時間
わずか、低賃金。大体の人は一ヵ月もたないでやめていってしまいます。
私はこの頃に4日夜徹の記録を作りました。この記録は漫画家になった今も
破っていません。

固定給
さて、仕事に慣れてきた私は、一人前と言われる月産300枚に届く様になって
来ました。今月は給料が期待出来るぞっと喜んだのも束の間、社長が、「君たち
そろそろ安定した枚数をこなせる様になって来たから固定給にして上げよう」
と、言うので、このときは素直に喜んだ。 評価してくれたと思ったから。
しかし受け取った給料は7万5千円..............。? ? ? ? ? ?
当時とっても素直だった私は、やはりいくら枚数をこなしても、まだまだ
修行中の身だからなーと、文句も言わずに受け取りました。
だけど、どうも納得がいかない..............。固定給になって3ヶ月が過ぎた頃、
漫画家に成りたかった夢がフツフツと首を持ち上げて来て.............。
このまま背景マンとして一本立ちする道も見えて来たところ.......。
悩みましたが、退社を決意。わずか1年程の背景マンとしての生活にピリオド
を打ったと思うことに(^^; 実は続きがあった(^^; 
漫画家のアシスタント
とある漫画家さんの仕事場で住み込みのアシスタント始めました。
まず最初にやらされたのがスピード線の練習で、B4の原稿用紙の裏、表に長さ4センチ
程の線を1ミリ間隔で角から角まで引いて行く練習でした。 
これは物凄く単調な作業で、辛かった(^^; 練習の合間の雑用が救い。
掃除、洗濯、食事の支度と、今のアシスタントの感覚とちょっと違うでしょうね。
ほとんど内弟子状態。ベタを塗らせて貰えるだけで凄くうれしかった(^^)
そんなこんなで、一日に引けるスピード線の枚数はせいぜい3〜4枚。
この練習の目的は意かに抜きの奇麗な線を、均等に失敗なく引けるかと言うことで、
無論先生のOKはでない。背景を描かされる様になっても延々とスピード線の練習は
続きました。睡眠時間は大体4〜5時間。これで一ヵ月5000円の給料。
先生いわく、「住み込みなんだから金はいらんだろう。それに使う暇なんかないから
貯金でもしたらどうだ」。 ああっ、漫画界ってなんてハードでシビアな世界なんだと妙になっとくしてしまいました。 
そんな修行生活も3カ月でピリオド(^^; きっかけは先生の一言。
「俺の絵をまねしろ」だった。実はこの先生の絵はあまり好きじゃなかったの(^^; 
もちろん技術はすばらしかったですが、まねはしたくなかった。
もしかしたら、修行が辛かったのでやめるきっかけを探していたのかも.........。

イラストの仕事
ジャンプの持ち込み仲間が私がイラストが描ける事を知り、仕事を紹介したくれた。
なんとそこでは私の描くイラストを一点5万円で買い取ってくれたのだ(^^) 
これが、ガンダムカードなどの仕事だったのです。
23歳の時、若くして結婚した私はこのイラストの仕事、ジャンプの紹介してくれた
アシスタントなどしていました。

H系漫画
帯 ひろ志とは別のペンネームで数年過ごす(^^; 
コミックスも3冊出しています。
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